〜TRENDEMON導入事例 #1〜

 

〜TRENDEMONをご活用頂いている企業のご担当者様に、実際のご利用方法やコンテンツマーケティングの取り組みについてご紹介する、インタビュー企画。記念すべき第一弾はサッポロビール株式会社様です。『男は黙ってサッポロビール』という名コピーで知られているサッポロビールですが、企業のコミュニケーションがマスからデジタルへとシフトしていく中で、ビール会社としてこれから生活者との間でどのようなコミュニケーションを新たに築こうとしているのでしょうか?国内においてまだ前例のない海外の新興アドテクノロジーのみならず、コンテンツマーケティングにおいても先進的な事例を創り続けているサッポロビールマーケティング開発部コミュニケーションデザイン室 福吉敬氏にお話を伺いました。〜

 

<PROFILE>

サッポロビール株式会社

マーケティング開発部 コミュニケーションデザイン室

福吉 敬 氏

略歴: 1972年北九州市出身。多摩美術大卒。 国内酒類メーカーから外資メーカーを経て、サッポロビール株式会社へ。

 

(TRENDEMON):まず、ご担当されている業務について簡単に教えてください。

(福吉氏):マーケティング開発部コミュニケーションデザイングループというところで、主にメディアプランニングとバイイングを担当しています。デジタル領域の広告施策の全体プランニングに始まり、分析なども担当しておりますが、施策の中で雑誌やラジオやTVなどのメディアとの連携が求められてきており、デジタルだけではない統合的なプロモーション領域も担当しております。

 

サッポロビールとの出会いについて

(TRENDEMON):「男は黙ってサッポロビール」という名コピーにあるようにサッポロビール様は昔から特にクリエイティブやコンテンツというものに強い独自性やメッセージ性があるように感じています。福吉様がもともとサッポロビールに入社しようと思ったのもそういったブランドメッセージ、コンテンツに魅せられたものがあったのでしょうか?

(福吉氏):もともと以前からエビスビールの愛飲者であり、ファンだったということもあるのですが、実は私の生まれ故郷が北九州市の小倉というところで、サッポロビールのビール工場が家の近所に当時存在していて、個人的な原風景として記憶に残る身近で特別なブランドでした。そういったこともあり、入社のオファーを頂いた時にはとても嬉しかったのを覚えています。

 

サッポロビールが考えるコンテンツマーケティングの重要性について

(TRENDEMON):今現在、アドブロックやITPによるCookie排除の動きが高まっている中で、サッポロビールとしてコンテンツマーケティングに対しての取り組みを改めて強化されている理由はどこからきているのでしょうか?

(福吉氏):ご周知の通り、アドブロックといった問題だけでなく、根本的に情報が溢れている今現在、生活者の方とのコミュニケーションを企業が取る上で重要なのは、どれだけ「自分ゴト化」をしてもらえるかだと思います。趣味嗜好が多様になっているからこそ、「自分ゴト化」をしてもらうには企業が発信するものは、一方的なメッセージではなく、1人1人に合わせたストーリー性を持った深く刺さる「コンテンツ」である必要があります。私個人の中で言えば、家の近所にあった「ビール工場」が一つのストーリーを持つ、思い入れの拠り所になっています。

 

(TRENDEMON):「自分ゴト化」してもらうには、企業が1人1人の生活者の文脈に寄り添うことが求められるからこそ、そのためにはコンテンツマーケティングが必要だということですね。

(福吉氏):はい。ブロードで純広を打つような一度で広範囲な情報を届けるリーチ重視のプロモーションのあり方だけではなく、コンテンツマーケティングのような確実に1人1人の生活者に寄り添ったコミュニケーションもこれからの企業発信のあり方として形作っていきたいと思っております。

 

抱えていたコンテンツマーケティングの課題

(TRENDEMON):コンテンツマーケティングが重要であるという一方で、これまで多くの企業がコンテンツマーケティングに挑戦したものの、本当に意味があるのか?といった疑念を持たれている現実もあるかと思うのですが、サッポロビール様が抱えていたコンテンツマーケティングの課題はありましたでしょうか?

(福吉氏):はい。コンテンツマーケティングを実施していく上で、当然あるコンテンツを企画する上で仮説をもとに制作していくのですが、実際に自分達が頑張って作ったコンテンツが本当に人々の心に届いているのか?ブランドに対して少しでも興味を持ってくれたのか?といったことが客観的なデータとして可視化することができていませんでした。従来の計測ツールでみると、確かにPVは伸びているか、滞在時間は増えているかはわかるのですが、あくまでそのデータは点でしかなく、その後のユーザーのジャーニー、動きは可視化することができませんでした。特に外部メディアなどのタイアップ施策においてはコンテンツを読んだユーザーがその後本当にブランドページに来訪してくれているのか?などは全く見ることができません。これでは、当然コンテンツマーケティングの真価を把握することは出来ていませんでした。

 

カスタマージャーニーの可視化によってコンテンツの価値が明らかに

(TRENDEMON):そういった中でコンテンツ計測ツールTRENDEMONをご導入頂いて、その後はいかがでしょうか?

(福吉氏):TRENDEMON導入後はこれまで自分達が作ってきたコンテンツが数値としてどれだけブランドに貢献しているのかをチーム全体で把握することができるようになりました。特に、弊社が作ってきた『OVER QUALITY』という日本中にある絶景スポットで撮影をしたアウトドア系のコンテンツがあるのですが、これまでなんとなく読まれている事はわかるのですが、その内、どれだけの人々が継続的にサッポロビールのブランドページに再来訪してくれているのか把握できず、この企画自体の継続意義が見いだせていませんでした。しかし、TRENDEMONの分析結果から、『OVER QUALITY』のコンテンツを読んだユーザーは読後行動として、その後各ブランドプロダクトページ来訪に貢献しているという非常に嬉しい発見がありました。コンテンツの貢献度を可視化することで、これまで以上に自信を持ってコンテンツづくりができるようになりました。

 

『OVER QUALITY』

出典:http://www.sapporobeer.jp/special/overquality/

 

サッポロビールが見据えるコンテンツマーケティングについて

(TRENDEMON):最後に、サッポロビールが見据えるコンテンツマーケティングについてお聴きしたいのですが、数年前に国内ではオウンドメディアブームがあり、コンテンツマーケティングに取り組む多くの企業が増えた一方で、いまだに国内ではSEO対策の一つとしてコンテンツマーケティングを捉えている方が多く存在しています。今後、サッポロビールが見据えるコンテンツマーケティングのあり方について教えてください。

(福吉氏):今後、コンテンツマーケティング周りでは、まず現状各ブランドでそれぞれ実施していた自社コンテンツを一つにまとめるポータルサイトを作成しようと思っています。背景としましては、先程お話しました通り、企業のメッセージやストーリーを通常の純広告だけでは深く浸透させることが難しい状況があります。 この解決策として、まずはサッポロビールやお酒のファンだけではなく、ライフスタイル全体として幅広い人々に興味を持ってもらえるような場所をつくり、これまで接点を持つことができなかった生活者とエンゲージメントを少しずつ積み上げ、一人ひとりの気持ちに寄り添ったコミュニケーションをコンテンツマーケティングを通して実施していきたいと考えております。

 

“インタビュー後記”

広告の効果だけでなく、コンテンツの効果についてもこれまで以上にシビアに問われ出してきている現在、サッポロビール様の今回のコンテンツマーケティングの取り組みはとても多くのヒントがあったのではないでしょうか?(話が少し逸れますが)昨年開催されたコンテンツマーケティングワールドというグローバルイベントで、用いられたイベントキーワードは「TRUST」だったそうです。世界中のマーケター達が今企業に最も必要なのは人々の「TRUST」を獲得することだと考えて、日々コンテンツマーケティングを取り組んでいます。コンテンツマーケティングの意義が今改めて見直されている中、今回のサッポロビール様のコンテンツマーケティング事例のように、一人ひとりの生活文脈に寄り添ったコミュニケーションを目指していくことで、人々の「信頼」は勝ち得ることができるのではないかと思います。

既に知られているように、コンテンツマーケティングの道のりは極めて長く、実際にビジネスゴールへの貢献が感じられるまで商材によっては半年以上かかる場合もあります。しかし、サッポロビール様のようにまずはコンテンツの役割=ユーザーの気持ちに寄り添う(エンゲージメント)という中間指標を設けることで、短期間の間で何度もコンテンツの改善を図ることができます。そのためには、当然カスタマージャーニーを可視化することが求められます。TRENDEMONでは一人ひとりのユーザーがどのようにジャーニー上でコンテンツに対してエンゲージメント(読了、回遊、再来訪etc…)しているのかだけでなく、継続的にそのユーザーのジャーニーをトラッキングすることで、最終的にデジタル上だけでなく、外部パートナー様との連携で店舗上でも購買したのかを可視化することが可能です。これまでコンテンツマーケティングではコンテンツが本来のビジネスゴールにどれだけ貢献しているのかは、ブラックボックスの状態が続いていましたが、TRENDEMONによって、この状況を少しでも改善し、「コンテンツの価値計測」を少しでも普及させる事ができればと思います。



Shingo Shimazoe