【ABM最新事例】ABM先進企業が必ず行う「アカウントスコアリング」とは?

リードスコアだけでは戦えない時代に

日本国内では徐々にLBM(リードベースマーケティング)からABM(アカウントベースドマーケティング)にシフトチェンジする企業が増えている一方で、”マーケティング担当者”が企業単位でのエンゲージメントレベルを把握するモニタリング指標として「アカウントスコアリング」まで実践できている企業はまだ少ないのが現状です。海外のABMを推進するマーケティングチームではこの「アカウントスコアリング」はなくてはならないものとして急速に実装が進んでいます。

では、なぜ海外で「アカウントスコアリング」が注目を集めているのでしょうか?その背景にBtoBならではの購買特性が起因しています。一般的な企業の場合、BtoB商材を購買するまでに平均で10人以上の社内関係者の合意が必要となります。そのため、従来のリード(個人)単位でのスコアリングを行う「リードスコア」だけでは実際の対象企業の購買確度を適切にマーケティングチームがモニタリングすることは年々難しくなっています。

またアカウントスコアリングが必要な背景に「購買担当者の匿名化」も挙げられます。最新の弊社パートナー調査の結果ではリード獲得自体のハードルが年々高くなっており、今やサイト来訪者の9割以上がCVせずに匿名のまま情報を探しています。

このように、現在多くのBtoB企業で従来の「リードスコアリング」だけではマーケティングが機能不全になりつつあり、企業の成長機会を大きく逃している状況ともなっています。

アカウントスコアリングが強力な武器になる場面

多くのBtoB商材では初回商談で受注に至ることは稀で、ほとんどの場合には複数回の商談が必要となります。その中で課題となるのが、初回提案後にクライアントが本当に興味を持ってくれたのか、そして商談に参加しなかった購買関係者が最終的に興味を持ってくれたのかどうかが分からない点にあります。

資料展開の際に一部専用ツールを活用すればわかりますが、資料閲覧以外の検索流入やWeb上の行動インサイトは実際のところ匿名行動としてほとんどが可視化されていないの実態です。

(※その他一部従来ツールでは匿名サイト来訪を可視化できますが、サイト来訪の僅か10%しか可視化できず、こちらも多くの場合、利用実態として施策運用レベルとして活用されていないのが現実問題としてあります。)

-当社クライアント検証と国内のBtoB企業を対象にしたヒアリング調査参照

このときに必要になるのがTRENDEMONが提供する【アカウントスコアリング】機能です。本機能は文字通りアカウント(企業)単位でモニタリングするためのスコアデータとなります。そのためターゲット企業の中での保有リード情報だけではなく、周辺の購買関係者などの匿名状態にある個のデータまでを自動的に統合し、1社あたりのエンゲージメントの強さ、広がり(購買意思の強さ)を総合的に評価、可視化することが可能となります。

匿名来訪の識別力が鍵

アカウントスコアリングにおいて匿名来訪の識別力が重要な鍵となります。この点において、TRENDEMONではすでに国内外の大手グローバル企業を中心に匿名来訪企業の可視化において世界で最も捕捉率の高いソリューションとして利用されております。また国内では従来ツールの4倍以上の来訪企業を可視化することに成功しています。

この結果、これまで可視化できていなかった匿名来訪の動きを捕捉することによって、初回提案後の際に、保有リード以外の購買関係者の匿名行動までも明らかにすることができるようになり、より精緻なアカウントの購買意思の高まりを捉えることが可能になります。

アカウントスコアリング活用例

具体的なスコア(セグメント)生成方法として、実際にTRENDEMON上の設定画面をサンプルにご紹介いたします。

スコア(セグメント)情報には「企業規模」「業種業界」「売上規模」「企業名」など様々な属性情報を選択頂くことができます。また、サイト内の行動データから「PV数」「セッション数」「来訪数」なども組み合わせることで、下図のような1社あたり10名以上の来訪者が存在するスコア条件をいれることが可能となります。また、外部CRMデータ上の競合リストや任意除外したい企業群も合わせて条件づけを行うことでノイズを可能な限り排除することも合わせて可能となります。

アカウントスコアの設定画面例

今回のスコア(セグメント)例ではHigh Intent (購買意思の高いセグメント)という名称でスコアリング生成しております。生成後、該当のスコア条件に合致する企業については下図のようなダッシュボード上でリスト化され、具体的な流入経路やコンテンツ消費傾向などのジャーニーインサイト全般を把握することが可能となります。

これらのアカウントスコアリングのインサイトはHubSpotなどのMA側にアカウントプロパティ情報として送ることも可能となります。

提案後のターゲット企業内の動きが手に取るように明らかに

最後に、本機能を活用し圧倒的な成果を出している代理販売型の商材を提供するBtoB企業様の実例をご紹介いたします。

一般的に代理販売モデルでは各代理店の提案状況そして、クライアントの実際の反応を把握することは極めて難しく、その結果、代理店が実際にどの程度売上を上げるのか予測が難しいものとなります。また代理店の受注率を上げるための適切なタイミングでの支援を講じることができていないケースも多くあります。

下図は実際のTRENDEMONのダッシュボード画面で、ターゲットアカウント(企業)のサイト来訪の頻度を可視化したものになります。6月に初回提案が代理店からターゲット企業へ行われ、その翌日にターゲット企業の来訪の跳ね上がりが確認されています。しかし、この時点では導入には至らずエンゲージメントが一旦、約半年ほど途絶え、代理店の活動状況が追えていない状態となっていました。その後ターゲット企業の2回目の来訪の跳ね上がりを検知したタイミングで担当者様は再度代理店にその旨を伝えたところ、まさに2回目の提案を代理店が直前に実施したタイミングだったのでした。

そこで、さらに当該ターゲットアカウント向けの最新アップデート機能や同業他社事例などを代理店側に再度伝え、ベストタイミングでフォローアップできたことで、代理店の受注に大きく貢献することができたのです。

(サンプル画面イメージ)

本事例は代理店販売だけではなく、通常のダイレクト販売の場合でも有効性が確認されています。匿名行動データをアカウントスコアリング上に落とし込むことで、提案前後のターゲット企業のエンゲージメントの高まりを把握し、受注確度を格段に高めていくことが可能となります。