〜TRENDEMONをご活用頂いている企業のご担当者様に、実際のご利用方法やコンテンツマーケティングの取り組みについてご紹介する、インタビュー企画。第3弾は世界No1コンテンツマーケティングプラットフォーム「NewsCred」を提供する株式会社アマナ様にお話をお聴きしました。〜
(TRENDEMON):それではまず、簡単に自己紹介をお願いします。
(佐藤氏):私はアマナのデジタルマーケティング事業を担当しているのですが、その中で、国外最先端のマーケティングテクノロジーやアドテクノロジーのソリューションを、国内のクライアント様にいち早く新たな選択肢として提供することを一つの重要ミッションとしております。
(TRENDEMON):アマナさんをご存知の方は広告コンテンツの制作事業やクリエイティブ事業のイメージを強く持たれている方が多いと思うのですが、デジタル領域にも進出してきた背景をお聴きしても宜しいでしょうか?
(佐藤氏):企業の歴史として、ビジュアル表現力を強みとしたあらゆる広告コンテンツの企画制作事業を中核としてやってきたこともあるのですが、2017年に、世界のコンテンツマーケティングをリードするNewsCred(本社:アメリカ合衆国ニューヨーク州)と、日本市場独占パートナーシップを締結したことが一つのターニングポイントだったかと思います。クリエイティブ・コンテンツを生業にしているからこそ、生活者とのこれからのコミュニケーションを考えたときに、デジタルをベースとしたコンテンツの価値を今後どのように見出していくべきなのか、当社としても向き合っていかなくてはならないのと、お客様からもそういったご相談が多く寄せられていた背景がありました。
(寺西氏):私は2018年にアマナに入社したのですが、それまでは事業会社側でマーケティング業務を担当していました。当時はマーケティング施策の中でも比較的短期間で効果を出すようなキャンペーン企画を担当しておりました。アマナに入社しコンテンツマーケティングアドバイザーを担当して以来、お客様と長期的なコミュニケーションを築きながらマーケティング活動をサポートしていく中でこれまで経験したことのない難しさも感じつつ、日々やりがいを感じています。
日本と海外のコンテンツマーケティングの差について
(TRENDEMON):寺西様が現在日本国内でのNewsCredの導入推進をご牽引されている中で、お客様と最も向き合っておられるからこそ感じておられる日本国内のコンテンツマーケティングの課題や、海外との違いなどございますでしょうか?
(寺西氏):NewsCredの本社があるアメリカでは、コンテンツマーケティング市場は日本の5、6年先を進んでいると言われていて、NewsCredプラットフォームの機能がアップデートされる度にやはりアメリカの先進性は感じますね。コンテンツ制作の現場で、日本では担当者と編集者がExcelやWordでコミュニケーションを取り合っているケースがまだまだ多い中、アメリカの多くの現場では制作工程のすべてをプラットフォーム上で完結させています。日本とアメリカではそもそも国土の広さや、ビジネス上の文化も異なるので単純な比較はできないですが、何か課題が立ち上がる度にまずはデジタル上で解決を試みてそれを最適化していく習慣は、学ぶべきところが多くあると感じています。
(TRENDEMON):コンテンツマーケティングに限らず海外の企業が日本企業よりも2歩、3歩先にどの業界においても先行している現状だと思うのですが、日本になくて海外企業に共通する構造的な何かがあるのでしょうか?
(寺西氏):そうですね、私が常々感じているのは海外の企業ではマーケティングを「フロー」で捉える習慣や仕組みがあるのではないかという点です。マーケティングでは常にPDCAで施策を回し続ける必要があるわけですが、国内のお客様からは、「コンテンツ単体で、どれだけのパフォーマンスが見込めるのか?」と聞かれることが非常に多いです。確かに短期的に考えるとコンテンツマーケティングは安い投資ではないので、そのような疑問を持つ背景も理解できます。しかし、コンテンツを世に出して、その反応から次回どのような(より読者の興味を引く)コンテンツを作るべきか?という高速なPDCAを回すフローにこそ、投資の価値があると私達は都度お伝えするようにしています。
(TRENDEMON):確かに国内ではマーケティング活動の定義自体が定まっていないように見られるように、販促活動を”マーケティング”として推進されている企業が多く見られたり、コンテンツマーケティングにおいてもSEO施策単体で掲載順位やPVがどれだけ上がったのか、下がったのかだけでコンテンツの評価を下してしまっている傾向があるように思えます。
日本のジョブローテーションが与える影響
(佐藤氏):あと補足するならば、日本企業特有のジョブローテーションといった海外ではあまり見られない組織文化も大きく影響していると思います。例えば、海外ではマーケティング自体が専門職として確立されており、営業をやっていた人物が2年後にマーケティングの部署に配属されるようなことはほぼありません。数年ごとに部署が変わってしまうのでは、ナレッジやノウハウなど深まらず、さらには組織内にも溜まらず、意思決定の質やスピードともに多くの課題があるのではないでしょうか?
(TRENDEMON):ゼネラリストかスペシャリストかみたいな議論はこれまで多くなされてきましたが、これまで類を見ない程、テクノロジーの進化が激しいマーケティングの世界においては、これまでのやり方では通用しなくなっているのかも知れないですね。
NewsCredとTRENDEMONの連携活用について
(TRENDEMON):前置きが少し長くなりましたが、コンテンツマーケティングプラットフォームであるNewsCredを提供しているアマナさんですが、NewsCredを利用しているクライアント様でも弊社TRENDEMONをセットでご利用頂く事例が今年に入ってから徐々に生まれつつあるかと思うのですが、どのような背景で弊社にご興味をお持ちになられたのでしょうか?
(佐藤氏):私が思うに、1つのツールだけを使えば全て解決するというような魔法のようなものは存在しないと思っています。大切なのは「クライアントの課題を解決する」ことであり、そのためTRENDEMONとNewsCredを組み合わせてコンテンツマーケティングを支援することがクライアントにとってベストであれば、当然そのように支援していくべきであると考えます。そういった考えの中で、TRENDEMONが持つセッションを超えたジャーニートラッキングなどのテクノロジーは、NewsCredと一緒に使うことで、お互いの強みを掛け合わせながらクライアントの支援を最大化できると思っています。
(寺西氏):まさに、その点については社内のメンバーとも議論していました。NewsCredではお客様のプロジェクトが成功に向かっているかを測る指標があり、その中に「分析ツールに適切な投資をしているか?」という質問項目があります。企業が掲げる多種多様なKGI、KPIがある中で、一般に開放されている計測ツールで全てを可視化するのには限界がありますよね。NewsCredではあくまで「コンテンツ起点」の分析をするので、カスタマージャーニーの全体像を把握したい企業であれば、TRENDEMONのようなプロダクトが必要になってきます。
(TRENDEMON):ありがとうございます。実際、コロナ以降特に再びコンテンツマーケティングに取り組む企業が多く出てきているように感じますが、国内のコンテンツマーケティングの歴史をみると、この数年やや下火になった一面も見られてきたかと思います。改めてコンテンツマーケティングの本質的な価値について少しずつ見直されてきているかと思うのですが、いかがでしょうか?
(佐藤氏):おっしゃる通り、これまで日本国内では、コンテンツマーケティングをやること自体が目的化し「コンテンツを作る」ことばかりにフォーカスされ、それをどう評価してビジネスゴールと繋げてみていくのかという本質的な目的があまり考えられてこなかったかと思います。当時はコンテンツマーケティングに取り組む上で必要となる計測ツールなどのテクノロジーが整っていなかったことも、要因の一つかと思います。そうした中でグローバルではテクノロジーの進化とともに、そのテクノロジーを活用して本質的なコンテンツマーケティングをやり続けることによって、劇的な成長を遂げた企業が次々と出てきました。そうしたムーブメントを生み出した代表的な一つの企業がNewsCredです。
(TRENDEMON):直近ではGDPRやITPなどのCookieの働きを制限するような動きが強くなってきており、ユーザーデータを取得するのが日毎に困難な状況になってきているかと思うのですが、このような状況下だからこそ私達のような企業がテクノロジーの力でしっかりと企業のマーケティング活動を支援することが求められていると感じますね。
(寺西氏):はい。今まさに私が担当しているお客様のKPIのひとつに、「オウンドメディアのコンテンツを経由したコーポレートサイト(特定ページ)への遷移」などがあります。複数のドメインを経由していたり、ユーザーがセッションを超えたりしているため、順調に前進しているプロジェクトほど、計測範囲が複雑化しつつあります。そういったケースではTRENDEMONの技術をNewsCredと併せて活用させて頂いております。
(TRENDEMON):ありがとうございます。では、今後アマナさんが見据える国内でのコンテンツマーケティングについて、TRENDEMONに期待するものなどございましたら、最後にお話を頂けますでしょうか?
(佐藤氏):今後も多くの企業がコンテンツを生み出し続け、コンテンツが世の中にさらに溢れていくとして、そのコンテンツをいかに自分たちのファンとなり得る方達に届ける(コンテンツとの出会いをつくる)ことができるのかという「ディストリビューション」の視点も同時に必要となります。そのため、当社では従来の広告メニューだけではなく、時代の流れを捉えた国外発の新興アドテクを、国内でも新たな選択肢として積極的にご提案しております。届けるという点においてその選択肢が充実する中で、TRENDEMONでは流入元の計測分析も行えるので、広告メニューごとの来訪ユーザーのジャーニーエンゲージメント分析ができ、最も顧客になり得る質の高いユーザーを流入させることができている広告メニューとそのコンテンツの掛け合わせを見極めています。
ジャーニーデータを使った拡張配信でCVRが数倍に
(TRENDEMON):広告という観点からですと、直近では弊社のジャーニーデータをもとにユーザーの来訪エンゲージメント別にOutbrainやGoogle、Facebookなどで拡張類似配信も行えるようになったことで、CVRが通常配信の数倍以上改善することができている事例も国内で出てきています。Content is King, Distribution is Queenと言われているように、コンテンツマーケティングはオーガニック流入だけでは完結しないと思っております。やはりコンテンツの持つ可能性を最大限発揮させるには一定のディストリビューション施策は必要であると思いますので、そのための機能を引き続き拡充していければと思います。
(寺西氏):私がTRENDEMONに期待することとしては、「事業に貢献する」というコンテンツマーケティングの大きなテーマと並走して、ユーザーが本当に欲している情報を明らかにすることです。コンテンツ一つひとつがどれだけの引力を持って、ユーザーと企業を繋ぐことができたかはNewsCredでも可視化することができますが、ユーザー一人ひとりのエンゲージメントや行動までは追うことができません。TRENDEMONのジャーニートラッキングと、「サイト来訪者への定性調査」などを掛け合わせることで、コンテンツがユーザーのマインドにどれだけ影響したのかを質と量の両方から明らかにしていきたいです。そうすることで、コンテンツが持つ価値を今まで以上に多面的に表現できるようになり、延いては事業貢献に繋げていきたいと考えています。
(TRENDEMON):貴重なご意見をありがとうございます。定性調査に関してですが、直近まさに、β版ではありますが、TRENDEMONでは簡易的な調査機能ではありますがコンテンツサーベイというものをご用意させて頂いております。β版なのでシンプルな調査フォーマットにはなりますが、手軽に狙った来訪ユーザーに対して調査を弊社のPersonalization機能内のCTAでご実施頂くことができるようになりました。過去にどのようなコンテンツを読んできたのかによって態度変容の差分分析や、コンテンツの読了のタイミングで表示させることも調整できるので、ユーザーのモーメントを捉えた鮮度の高い調査が可能となります。
(TRENDEMON):今後もTRENDEMONでは機能開発含め、国内のお客様からのフィードバックをもとに新たな機能をリリースすることができればと思っております。また、引き続きアマナさんのNewsCredとも連携しながら、国内のコンテンツマーケティングを一緒に発展させることができればと思っております。本日は貴重なお時間をありがとうございました!