多くの国で「オフライン」の通りが過疎化する一方で、情報ハイウェイ「オンライン」にはたくさんの人が集まってきています。世界中でより多くの人々が屋内に閉じこもるようになるにつれ、外の世界との主要なつながりであるオンライン活動は、かつてないほど増加しています。 アメリカの通信会社Verizonは、ウェブトラフィック量が週比20%以上増加していると報告しています(参照はこちら) 。

B2B企業もまた、マーケティング組織をこの環境変化に迅速に対応させるべきでしょう。 今回は、ユーザー行動の地殻変動に対して、B2Bのマーケティング担当者がどのように対応しているのかを詳しく見てみました。どのような活動に力を入れている企業があるのか、またその理由は何なのか?ということです。

                

 新型コロナがマーケティング予算や配分に与えている影響(Viola Venturesの調査結果)

イスラエルの最大手ベンチャーキャピタルのひとつViola Venturesが3月に行ったマーケティング調査 では、主にB2B企業のマーケティング幹部62人以上に、新型コロナウイルスが2020年の計画にどのような影響を与えているかという問いに対して、興味深い回答が得られています。オフラインでの活動が停止する中、マーケティング担当者にはソーシャルとコンテンツのインフラを倍増させていることが分かっているのです。

            

Q.最近はどこに予算をシフトしていますか?

【上図】青色:マーケティングファネルのトップ(初期のリードジェネレーション)を増やす施策 /紫色:新規契約締結を増やすためだけの施策/緑色:契約更新をするためのカスタマーサクセス支援施策 【左円グラフ】社員数150人未満の企業 【右円グラフ】社員数150人以上の企業/社員数150人以上の企業は、社員数150人未満の企業よりも新規顧客開拓に予算を割いているが、最も割合を占めるのは青色。( Viola Ventures 調査レポートより引用)

    

また、ほとんどの企業は、新規案件の獲得を支援することよりも、マーケティングファネルのトップ層を増やし、既存顧客維持や顧客とのエンゲージメントを高めるための取り組みを支援することに重点を置いているようです。

                           

Q.イベントや会議が中止になって浮いた予算は、どこに移動させましたか?

           

【上図】上位3つの回答は次の通り⇒紺色(32%):もっとコンテンツをつくるため /水色(24%):ウェビナーやオンラインセミナーのため/黄色(18%):SNS施策( Viola Ventures 調査レポートより引用)

「マーケティング活動において、どこに予算を寄せましたか」という質問に対しては、多くのBtoB企業がコンテンツ制作、オンラインセミナー、SNS施策に予算をシフトしたようです。新しいコンテンツが氾濫している今、これまで以上にユニーク性や有用性、具体性のあるコンテンツを作らなければならないということでもあります。 

                    

新型コロナは人々の注目度や消費傾向にどのような影響を与えているのでしょうか?

リアルで集まるカンファレンスのような活動がもはや物理的に難しいという事実は頷けますが、なぜ企業はトップ・オブ・ファネルにより投資するのかという疑問に対して、これだという明確な解を見出すことはまだできません。しかし、ひとつの有力な仮説として、新型コロナのおかげでコンテンツへの消費者の関心が高まっているということは、TrenDemonが日々見ているコンテンツ接触量データにも裏付けされています。人々はより多くの時間をオンラインで過ごし、より多くの時間コンテンツに触れて、情報を得ています。この傾向を示す一つの指標として、モバイルデバイスでよりもデスクトップでのB2Bコンテンツの消費量が多くなっていることが挙げられます。

                              

【上図】BtoB企業におけるコンテンツ接触のデバイスデータ比較。2019年12月に比べて2020年3月は、PCでの接触が増えていました(TrenDemon調べ)  

               

サイバーセキュリティのような特定の業界では、コンテンツの影響を受けたWebコンバージョンが3月に急増しています。対面のタッチポイントがなくなった分、Webでのコンバージョンが増えているというわけです。

【上図】サイバーセキュリテイ業界のWeb上のCVは、2019年11月と比較すると、2020年3月は約1.5倍増(TrenDemon調べ)            

  

B2Bマーケティング担当者は、このような波を受けてどのような具体策を取るべきか?

当社の多くのお客様の中には、既存顧客の満足度向上やフォロー施策だけでなく、アッパーファネルへのシフトが顕著に見られます。実際、出張や会議が中止になったり、目先のKPIを追いかけるのをやめて初めて、オンラインコンテンツを作成したり読んだりする時間ができたりするものです。TrenDemonでは、この状況下では今までなかなか出来ていなかったこと――海外の事例を翻訳・資料化したり、これからのコンテンツマーケティングにおいて何が重要か?自分たちのプロダクトの意義は何か?などをじっくり話し合ったり、クライアントがくれたフィードバックに基づいてプロダクトアップデートをしたり、より分かりやすい事例集を作るための準備をしたり、Webサイトのコンテンツを作るということをしています。オーソドックスで普遍的なことではあるのですが、意識的に「内省」と「情報資産を増やすこと」に取り組むようにしています。

最後に、TrenDemonをご利用いただいている幅広い業種のB2Bマーケターやコンテンツマーケティングの専門家から得られた「打ち手の例」を、いくつかご紹介いたします。

      

1.マーケティングインフラへの投資(「マーケティング課題の負債」を支払う)

マーケティング担当者は、消費者・生活者の動向をとらえるために、多大な苦労をしてきました。今は、顧客エンゲージメントの構築とそのためのインフラに投資する絶好の機会と言えます。 より多くの人々がブログなどオンラインコンテンツを読んでおり、Web上のタッチポイントが増えているのを私たちは目の当たりにしています。これは、自社のマーケティングパイプラインがうまく流れているかどうか、自社のマーケティング分析プラットフォームが適切に設定されているかどうかを確認する良い機会です。

2.注目を集めるための動き

今まで消費者の注目がなかなか集まらなかったニッチな業種では、消費者行動がオンラインに移行して認知のハードルが下がったことにより、ニーズを獲得しやすくなっているように見えます。企業が新しいソリューションを導入する可能性は低いかもしれませんが(ほとんどの企業はまだまだ保守的な姿勢だと思います)、データからすでにわかることは、消費者の活動がオンラインに寄っているため、迅速に行動できるマーケティングチームはこの機会を活かせるのではないでしょうか。つまり、今この時期を、サービス導入/購買の意欲よりもっと手前(なんとなく課題感はある・興味はある)潜在顧客とのタッチポイントを増やす絶好の機会に出来れば、世界が通常のビジネス秩序を取り戻した時に、競合他社よりも優位に立つことができるでしょう。しておくことは特に重要です。

3.今までよりも「読ませる」コンテンツを作成する

B2Bウェブサイトのユーザーは、デスクトップコンピュータを介して、より多くのコンテンツに接触しています。今までスマホファーストで、「早く」「手軽に」「わかりやすく」を意識してコンテンツを短くまとめていたとしても、少しアプローチを変え、会社のストーリーやプロダクトパーパスについて、いつもより長めのコンテンツを作成してもいいかもしれません。長いテキスト形式のコンテンツや、ひとつのテーマをより深く掘り下げた内容のコンテンツを作る良いタイミングではないかと思います。

4.KPIが曖昧な施策を見直す

ただし、明確な基準やベンチマークなしに上記のすべてを行うと、これらの努力の効果を証明しようとするときに、本当に難しい問題が発生します。マーケティングファネルのトップを増やそうとする取り組みを行うにしても、明確で体系的なアプローチつまり評価方法があることを確認してください。コンテンツマーケティング分析にはTrenDemonをお勧めしたいところですが(笑)、他のマーケティング測定ソリューションでも構いません。ただ、KPI測定の問題に目をつぶって、施策に盲進してはいけません。(決して「更新すること」を目的としたコンテンツ制作をしないでいただきたいです。コンテンツマーケティングにおいて陥りがちな罠にご注意を)

       

長期的に見ると、COVID-19は多くの組織のデジタルトランスフォーメーションの取り組みを加速させるかもしれません。顧客コミュニケーションをリニューアルする必要がある企業もたくさんあるでしょう。私たちは、グローバルレベルで急速に変化する時代に立ち会っています。ここ数ヶ月の出来事がもたらす結果の多くは、まだまだ未知数です。しかし、インターネットをはじめその他の破壊的技術が誕生し、大きな変化が起きたとき、生き残った企業は新しい状況に適応できる企業でした。たとえ、会社の仕組みや時にはビジネスモデルそのものを再発明する必要があったとしても、これらの変化に順応できた企業はちゃんと成功することができたということを忘れずに、日々を過ごしていきましょう。

      

    

それでは皆さま、ご安全に、健康第一で!

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