BtoBにおけるパーソナライゼーションが失敗しやすい5つの理由

数年前から、 TRENDEMON(トレンデーモン) のプラットフォームに新たな機能、設定オプションを追加するにつれて、お客様の利用統計(システム利用時間)が着実に伸びていることに我々は気づきました。

それは、一見すると良い傾向に見える一方で、お客様がWebサイトのパーソナライゼーションキャンペーンの作成、管理、最適化にますます多くの時間を費やしているということを意味し、オプションが増えれば増えるほど、本来時間をかけるべきでない、運用設定に時間がかかるようになっていたのです。

実際にご利用ユーザーに話を聞いてみると、多くの人が、さまざまなキャンペーンやテストを設定して、期待する成果を出すのに多くの時間を費やしていることに不満を感じていることがわかりました。

労力に対するリターンが激減していたのです。下図の右上から左上へのゾーンに移動する方法を見つける必要があったのです。

BtoCのアプローチでBtoBをパーソナライズ施策を実施するのは悪手だった

BtoBの環境で細分化しすぎたパーソナライズ検証や大量のABテストを行うという一般的なBtoCと全く同じアプローチは、多くのBtoB企業にとって必ずしも効果的ではないということを意味しています。

これらの問題に多くの企業が直面するのはBtoBならではの理由があります。

  1. チームサイズ– BtoBマーケティングチームは一般的に活用ツールが増えるほど、チームは細分化され小規模なサイズとなります。そのため多くのパーソナライゼーションのキャンペーンをサイト上で細かく実施し管理していくのは通常困難となります。
  2. トラフィックボリューム– BtoBのWebサイトは、BtoCのWebサイトに比べて訪問者が少ない傾向にあります。つまり、施策検証を細かく細分化し過ぎて、数多く行うことが、より良い結果やより正確な洞察を意味するわけでは決してありません。
  3. ジャーニー期間と購買体系の違い– BtoBのバイヤージャーニーはBtoCと比較して一般的に長い傾向にあります。場合によっては、数年に及ぶこともあります。サイト訪問者に何の情報をどのタイミングで提供すべきかは、ジャーニーの各ステージによって異なります。自社の課題に気づき始めたばかりなのか、さまざまなソリューションを探しているフェーズなのか、そして最終的な購買にたどりつくまでにBtoCよりBtoBでは商品単体だけではなく、販売企業側の「人物」自体も最終的に購買を左右する大きな要素となることも念頭におかなくてはなりません。
  4. コンテンツの役割 – Web上のコンテンツは、今やBtoBのバイヤーが購買決断までに必ず接触するタッチポイントとなりつつあります。適切なコンテンツを適切なタイミングで適切なユーザーに届けることができない場合、バイヤーは簡単に行き詰まり、自分にとってその製品が適切かどうかを判断することができなくなります。
  5. 購買意思決定者の多さ – BtoBの意思決定は通常、BtoCと比較して一人の人間で行われるものではなく、複数のチーム内関係者によって行われるという事実があります。つまり、同じ企業でも異なるペルソナにパーソナライズさせる必要があります。

以上の理由から、BtoBにおいて購買意思決定が行われる環境はBtoCとは異なる側面が強く、これまでBtoCで正攻法とされていたサイト上での施策アプローチはBtoBではうまく機能しない場面に多く遭遇します。

BtoBパーソナライゼーションへの新たなアプローチ 「オーケストレーション」

こうした状況においてBtoBのパーソナライゼーションについては、より全体的にBtoBの購買において重要となる上記で触れた各要素を1つのまとまったメロディのように統合することに焦点を当てた、新しい視点となるテクノロジー機能を持つ必要があります。

TRENDEMONが新たにリリースする「ジャーニー・オーケストレーション」(β版)機能は、バイヤージャーニー全体を管理し、各ファネルごとのパーソナライズ施策を自動最適化できる機能となっています。これは、最初のタッチポイントからコンバージョンまでの、バイヤーエクスペリエンスを管理し、最適化を目指すアプローチとなります。

ユーザーは、個々のキャンペーンを手動で設定する代わりに、匿名の最初のウェブサイト訪問から特定のCVまでの、コンテンツ体験とジャーニーのすべてを機械に管理させることができるようになりました。

パーソナライゼーション、オーケストレーション機能
ジャーニーオーケストレーション(ジャーニー自動最適化)機能サンプル画面

本機能では、BtoBマーケティングの3つのコアな側面、すなわちオーディエンス、ゴール、コンテンツまたはキャンペーンオファーをつなぎます。この自動最適化機能を使うことで、バイヤーズ・ジャーニーの適切なステージで適切なコンテンツ体験を自動的に提供し、継続的に反復して最良の結果を見つけ、最終的に匿名のウェブサイト・トラフィックを売上につなげることができます。

オーケストレーションとキャンペーンを比較した場合の、これまでのパフォーマンス結果は以下のとおりです。

  • コンテンツのクリックスルー率(CTR) – オーケストレーション機能の CTRは、手動で最適化されたキャンペーンと比較して 122%高い
  • CVR- マニュアルキャンペーンに比べ96%アップ

オーケストレーション(β版)機能について

今回ご紹介した新機能について詳細が気になる方はこちらよりお問い合わせください。