一般的に読了率を計測するときに、よく用いられている方法の一つとして、GTM(Googleタグマネージャー)、GA(Googleアナリティクス)を活用することで読了基準を設定し計測する方法があります。
対象のウェブサイト上にタグを埋め込み、各ページのスクロール率などによって読了を測定していくことができるのですが、今回はその設定方法についてご紹介させて頂きます。
また、無料ツールとして公開され、最も広く活用されているGoogleアナリティクスですが、そのデータを可視化、評価する際に気をつけるべきことを最後にご紹介させて頂きます。
それでは、実際にGTMを使った設定手順の大まかな流れをご紹介します。
まずはGTMにアカウント登録します。任意のアカウント名、国、コンテナ名、プラットフォーム(計測対象の種類)を指定します。
Googleアナリティクスやその他外部のウェブサービスを利用する際に必要になる対応ですが、上記のような計測のためのコードを追加します。ここまでで、基本的な事前設定は完了です。以降では、「読了率」計測のためのイベント計測の設定方法をご紹介します。
サイドバーメニューの「変数」から、計測対象の変数を定義します。上記画面の右上の「設定」をクリックすると、上記のように右側に選択フィールドが表示されるので、「Scroll Depth Threshold」を選択・追加します。
サイドバーメニューの「トリガー」から、計測基準となるトリガーとして、「スクロール距離」を選択します。
この「スクロール距離」は、ユーザーによるウェブサイト内の縦方向のスクロールが、各ページのボリュームに対して何パーセントされたかを計測できるトリガーです。割合の値を、10%、25%、50%、75%、100% など自由に指定することが可能です。
最後に「タグ」を作成し、計測の設定を完成させます。
まず、「タグの設定」をクリックし、「Google アナリティクス: ユニバーサル アナリティクス」を選択します。
上記で選択した「Google アナリティクス」に対して、下記のように設定します。
・イベントトラッキングタイプ: イベント
・カテゴリ: 自由指定可能(GA上の「イベントカテゴリに表示される名称」)
・アクション: {{Scroll Depth Threshold}}
・ラベル: {{Page URL}}
・非インタラクション ヒット: 真
・ このタグでオーバーライド設定を有効にする :チェックを入れる
・トラッキングID: GAのIDを調べて入力
また、「トリガー」には、「スクロール距離」を選択します。
上記まで対応したら、「保存」をクリックします。名前は自由に指定可能です。保存すると下記のようにタグが保存されます。
「公開」(有効化の処理)の前に、「プレビュー」から正常に計測が働くかどうかをチェックできます。
画面右上の「プレビュー」をクリックすると、下記のようなタグマネージャーとサイトをテスト的に連携できる画面が表示されますので、ここにウェブサイトのURLを入力し、「Connect」をクリックします。
接続がすぐに完了するのですが、そうすると別ウィンドウで、下記のようなURLでサイトが開かれます。この状態でサイト内を回遊すると、GTMにてイベント計測されることが確認できます。
プレビュー処理、サイト連携を実施したウィンドウに戻ると、下記のような計測状況を確認できる画面に切り替わっています。ここに、「Tags Fired」と表示され、「Fired 4 time(s)」などとイベント計測が発生した回数がでていれば、正常に計測が可能となっています。
最後に、GTM画面の右上の「公開」をクリックし、バージョン名(今回の追加/変更に対する)を指定して、公開します。これでGoogleタグマネージャー上での設定は完了となります。正常に設定がされていれば、Googleアナリティクス上でも読了率のイベント計測が可能となっています。
リアルタイムで読了率(スクロール率)の状況を見る場合
「リアルタイム」 > 「イベント」
溜まっていく読了率(スクロール率)のデータを見る場合
「行動」 > 「イベント」
いかがでしょうか?今回の方法では設定までには多くのプロセスがあり、初めての方には少し時間がかかるかもしれません。
また、今回ご紹介させて頂きましたGoogleアナリティクスを通して読了率を可視化する方法ですが、誰でも費用をかけずに計測することができるため、活用しやすいのですが、その反面、データを評価する際には気をつけるべきポイントがあります。
以前に本ブログ内でご紹介させて頂きました読了率に関する記事では、読了率は「スクロール率」だけでは読了したかどうかは判断できないとお伝えさせて頂きました。
また、滞在時間を組み合わせれば良いのか?と思われる方もいるのですが、こちらも仮に滞在時間をトリガーとして考慮したとしてもコンテンツごとにテキストボリュームが異なるため、今回のような紋切り型に読了の定義を決めつけてしまうと、読者のコンテンツに対しての実際のエンゲージメントを誤って判断してしまう可能性があります。
一般的にコンテンツ制作には多くの企業が今尚も大きな予算と時間を投下しています。しかしながら、そのパフォーマンスを無料ツールのみで計測した場合、精緻にそのコンテンツのポテンシャルを把握することは難しい側面があります。
コンテンツマーケティングで成果を出すことは当然、簡単なことではありません。しかし、この数年で、その中でも圧倒的に成果を出されている企業の方達に共通しているものがあります。
それは、「最新テクノロジーの積極的な活用」と「改善アクションの速さ」です。
現在、ITPやcookieブロックによる影響でサイト流入の質が懸念される中、コンテンツにおいても積極的なテクノロジーの活用が求められています。このような時代背景の中で、いち早くコンテンツの成果を出している企業は従来ツールの限界を正しく理解し、カバーできていない領域に対して積極的にテクノロジーへの先行投資を行っています。
また、成果を出している企業のもう一つの特徴でもある「改善アクションの速さ」については、コンテンツを制作して終わりではなく、制作後もパフォーマンスをモニタリングし、課題分析を行い、次回コンテンツ制作のためにデータを活用しています。
しかし、コンテンツマーケティングご担当者の多くの方は企画、運営制作で手一杯で、分析する時間などに充分にリソースを確保することが難しいのが現実です。
今回ご紹介したような「読了率」の計測一つとっても、思ったより大変と感じられたのではないでしょうか?
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